市販のクリームでイボが取れた人は本当にいるのか?
患者さんの話を聞くと、確かに市販のクリームでイボが取れたことがあるという人がいます。
でも…100個以上あるうちの、1、2個。残りは全然取れないので、結局はクリニックに来てくださいます。
実際にクリニックに来てくださっている患者さんたちの話をもとに、首イボクリームでイボが取れるのかどうかを検証してみましょう。
首イボクリームを使ってことがあるという患者さんの95%以上の人は一つも取れたことがない
クリニックを受診してくださる患者さんは、受診前に首イボクリームをあれこれ使ってみたという方も多くいます。
・市販のクリームを4種類ぐらい使ってみた
それでも、首イボは一つも取れなかったという方が95%ほど。
1.2個取れたという人も、5%ほどいます
首イボクリームを塗ったら、確かに2個ぐらいは取れた!
お話ししてくださる方もいらっしゃいます。
よくよくお話を聞くと
・クリームを塗って、ねじねじいじっていた
確かに、下の写真のような「引っ張れば取れそう」と感じるようないぼであれば、クリームを塗りながらねじねじしていると取れる可能性があります。
こういったタイプのイボは、民間療法などでも言われている糸で縛る(もしくは髪の毛で縛る)と取れるよ…というのと同じ原理です。
イボ自体はやや大きめなのですが、皮膚とつながっている部分が細いので、その部分からちぎれると取れます。
逆にこちらの写真の方のように、ペタッとしたタイプのイボは、ねじねじできないのでマッサージをしても取れる可能性はかなり低いと言えます。
首イボクリームでイボが取れたから、受診しないのではという可能性
たしかに、クリニックを受診してくださる方は、さまざまな方法を試してみたけれど取れなかったから受診した…
もっともっと多くの人が、クリームだけで取れているから受診する必要が無いのでは…
そんな仮説も浮かびますよね。
クリニックにいらっしゃらない方のデータは持ち合わせていないので、「クリームで十分とれるから受診しない」可能性に関しては、何とも言えません。
でも、本当にクリームでイボが取れるのであれば、ちゃんとした根拠・医学的な論文があるはずですが、そのような論文は見つけられません。
美白剤は皮膚科学会でも発表があるが、イボクリームの発表は見たことがない
化粧品やクリームでケアをする…と言うと真っ先に思い浮かぶものは「シミケア」「美白剤」ですよね。
こちらの分野は、やはり大手の化粧品会社さんからベンチャー企業さんまで、様々な会社で研究開発が行われています。
そして、その研究結果を日本皮膚科学会や、日本香粧品学会などで発表し論文として世に出していきます。
このように学術的にきちんと評価しているものは、効果を発揮する成分だと言えます。
でも、残念ながら私は一度も、首イボが取れる成分の発表をこういった場で見たことがありません。
大手企業さんが研究しないのは
そうです、塗り薬やクリームで、首イボが取れない事がわかっているからです。
そもそも、イボという判断が間違っている可能性
首イボではなく、稗粒種の可能性
首にできているものが、いわゆる首イボ(アクロコルドン、老人性疣贅などと呼ばれるもの)ではなくて、稗粒種だった場合、確かに稗粒種であればケア用のクリームでマッサージしているときに、取れる可能性はゼロではありません。
でも、首に稗粒種ができる確率って、相当低いです。
実際に今年の3月には180人近くの方の首イボ治療をさせていただきましたので、治療したイボは20,000個以上にのぼります。その中で首にできていた稗粒腫はたったの2個だけ!!
確率 0.01%
う~ん。稗粒種だと考えてクリームを塗るのはあまり効率的ではないですよね。
出来て1ヵ月ぐらいのイボ…それはイボではなくて吹き出物かも
できたばかり、1ヵ月ほど前からあるイボがクリームで取れた…その可能性はありますよね。
なぜなら、そもそもその首にできたポツポツは、いわゆる首イボ(アクロコルドン、老人性疣贅)ではなくて、一過性にできた吹き出物(湿疹タイプ)の可能性が高いからです。
炎症などでできた吹き出物は、スキンケアによって改善することは十分考えらえるので、できたばかりのポツポツであれば、クリームを塗ってみるのもイイと思います。
でも、もう何年も前から首にあるイボ・ポツポツ・・・それらは吹き出物ではありませんから、スキンケアで取れることは期待薄です。
結論
基本的には、首に数年以上あるイボ(アクロコルドン、老人性イボ)はクリームで取れる可能性が非常に低い。
クリームで取れたというものは、稗粒種や吹き出物だったというケースが考えられる。
ということになります。
首イボが1回でとれる、mikoメソッドについての詳細や予約方法については、「首のぽつぽつを除去!mikoメソッドとは」をご覧ください。